咀嚼筋炎(そしゃくきんえん)ID:1316346523-

最近、口が痛いのか食事をこぼし痩せてきたとのことで中年のチワワが来院。口の中を精査するために鎮静処置を施す。ところが私の力ではどうしても開口できないのである。この時点で顎関節の異常か咀嚼筋炎を疑う。開口器を使用して慎重に何とか気管チューブが挿入出来るまでやっと開口させることが出来たが...。開口困難、咀嚼困難、採食困難による体重減少などの症状、各種検査(後に咀嚼筋筋炎抗体1:4000で陽性)、鑑別診断により咀嚼筋炎と診断。この病因はっきりと解明されていないが、咀嚼筋(側頭筋、咬筋、顎二腹筋)がウイルス、細菌感染などの?何らかの切っ掛けで炎症を起す病気で、厳密には咀嚼筋の筋線維に対して自己抗体が産生される免疫介在性疾患と考えられています。治療は免疫抑制剤を使用しますが、この症例の場合、免疫検査結果が出てから治療に入るのでは改善が遅くなるため臨床症状と鑑別診断で治療に入りました。そのため咀嚼筋筋炎抗体が判明するまでには症状は改善され、フードを食べるようになることが出来ました。このように結果が判るまで長時間かかる検査の場合、臨床症状、経験が優先して治療に入る病気もあるのです。

IMG_0614

麻酔下でも口が開けられない。
IMG_0612

開口器でやっと口が開く。
IMG_0628

免疫抑制剤の治療、1週目。口がだいぶ開くようになり、咀嚼(食物が噛める)出来るようになる。

— posted by shimoe-s at 08:48 pm  

ポリープID:1314606266-

血尿が長く続くキャバリアの来院。エコーで膀胱内に腫瘤があるのが判りましたが、画像検査だけでは悪性の癌なのか良性の腫瘤なのかは診断出来ません。もう一例はシワガレ声が続くミニピンです。喉頭を診ますと右側声帯に腫瘤が発生しています。これも見た目だけでは悪性か良性かは診断がつきません。両症例共、病理組織診断(組織を採って調べる)を行ないました。血尿が続く犬は好酸球性膀胱炎(ポリープ様好酸球性膀胱炎)、シワガレ声の犬は声帯の炎症性ポリープとの結果。二例とも悪性の癌で無く安心といったところでしょう。見た目だけで早急に診断名を求めないで欲しい事と少し時間と検査費用がかかりますが病理組織検査なるものが必要である話でした。
IMG_0616

膀胱切開してポリープの切除。
IMG_0625

エコー診断
144340

ポリープ様好酸球性膀胱炎の病理組織検査写真
475

声帯ポリープ
142893

声帯ポリープの病理組織検査写真

— posted by shimoe-s at 05:24 pm  

イヌビワID:1313403397-

当院の看護士主任(勤続18年)が院長は好きだろうと、イヌビワの実を採って来てくれた。名前は聞いた事があるが、見るのも食べるのも初めてである。前にも書いたことがあるが野性的果実が私は好きなのです。横道に逸れるが18年も一緒に仕事をしていると私の性質、嗜好性も心得てくれていて本当に頼りになる看護士なのである。彼女自身も果樹を育てたり野菜を作るのが好きなのではあるが。さてさて、イヌビワはクワ科イチジク属の落葉小高木で果実は熟すると(黒色となる)食べられる。ビワと言うよりもイチジクの薄味と言ったところか。朝のウオーキングコースの芦田側岸に桑の木が自生しているがクワの実とも違う味なのである。イヌビワの実 採集地は宇和島地方の川岸で承諾を得て採集とのこと。何でも、川で泳ぐ時この実を『耳栓』代わりにしていたそうである。因にこの地方、ハクビシンもいるそうです。ハクビシンがイヌビワの実をたべるかどうか私は知りませんが...。
123

IMG_0620

黒く熟したイヌビワの実1.5㎝大

IMG_0623

割面はイチジク様
000

ちなみにクワの実
IMG_0571

タイトルと関係ありませんが、私の散歩コースの芦田川。ヌートリアが泳いでいます。
IMG_0578

芦田川に架かる沈下橋

— posted by shimoe-s at 07:16 pm  

グリーンカーテンID:1312200839-

2ヶ月前に植えたゴーヤが病院待合室の日よけ、グリーンカーテンの役割を果たしてくれるようになりました。もう少しでゴーヤの実も収穫出来そうです。しかし待合室が少しゴボウの香りがするのはゴーヤの臭いなのでしょうか?私は嫌いな臭いではないのですが...。
IMG_0584

IMG_0585

1122

— posted by shimoe-s at 09:13 pm  

 

三徳山ID:1312187166-

鳥取県は三朝温泉近くの三徳山(みとくさん)に友人と登って来ました。木の根っ子を掴み足場を探しながら這いつくばり登る急斜面もある結構ハードな登りでしたが、30分少々で断崖絶壁の洞窟の中に建つ『投入堂』に着く事が出来ました。写真で見ていた印象より崖も含めて少し全体的にこじんまりしていましたが、汗をかいて登った甲斐はありました。因にウィキペディアによると三徳山は全域が三徳山三仏寺(天台宗)の境内となっており、中腹の断崖に浮かぶように建つ国宝『投入堂』は特に有名で全山が国の名勝、史跡に指定されている。世界遺産に推薦を申請したが、継続審議となっているとのことです。

帰りはもちろん名湯 三朝温泉に浸かり汗を流したのは言うまでもありません。
IMG_0602_1

IMG_0604.JPG

IMG_0596

IMG_0599

123

— posted by shimoe-s at 05:26 pm  

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.0407 sec.