咀嚼筋炎(そしゃくきんえん)ID:1316346523-

最近、口が痛いのか食事をこぼし痩せてきたとのことで中年のチワワが来院。口の中を精査するために鎮静処置を施す。ところが私の力ではどうしても開口できないのである。この時点で顎関節の異常か咀嚼筋炎を疑う。開口器を使用して慎重に何とか気管チューブが挿入出来るまでやっと開口させることが出来たが...。開口困難、咀嚼困難、採食困難による体重減少などの症状、各種検査(後に咀嚼筋筋炎抗体1:4000で陽性)、鑑別診断により咀嚼筋炎と診断。この病因はっきりと解明されていないが、咀嚼筋(側頭筋、咬筋、顎二腹筋)がウイルス、細菌感染などの?何らかの切っ掛けで炎症を起す病気で、厳密には咀嚼筋の筋線維に対して自己抗体が産生される免疫介在性疾患と考えられています。治療は免疫抑制剤を使用しますが、この症例の場合、免疫検査結果が出てから治療に入るのでは改善が遅くなるため臨床症状と鑑別診断で治療に入りました。そのため咀嚼筋筋炎抗体が判明するまでには症状は改善され、フードを食べるようになることが出来ました。このように結果が判るまで長時間かかる検査の場合、臨床症状、経験が優先して治療に入る病気もあるのです。

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麻酔下でも口が開けられない。
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開口器でやっと口が開く。
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免疫抑制剤の治療、1週目。口がだいぶ開くようになり、咀嚼(食物が噛める)出来るようになる。

— posted by shimoe-s at 08:48 pm  

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