ミイラ胎仔ID:1261908490-

4歳の雌ミニチュアダックスフントがワクチン注射後、元気が無く階段を上らなくなったと言うことで来院されました。この犬種にありがちな椎間板ヘルニアを疑い、神経学的検査の後レントゲン撮影を行いました。椎間板ヘルニアは否定されたのですが、お腹の中にミイラ化した胎仔が写っています。改めて話しを聞いてみると3ヶ月前に2匹を正常分娩しているとのこと。ミイラ化した胎仔がまだ子宮に残っていることになります。血液検査も異常がなく今回の症状とミイラとの関連性はハッキリしませんが相談の結果、摘出することになりました。が....子宮はすでに小さく元の状態に復帰しています。子宮内に胎仔は見当たらず、腹腔の大網に包まれた状態で発見です。犬ではまれな子宮外妊娠か....と考えながらも癒着した大網と共にミイラ胎仔を取り出しました。その後、卵巣.子宮を精査したのですが大きな異常部位は確認出来ず閉腹終了。通常このような場合、子宮.卵巣も同時に摘出(避妊手術)することが多いのですが、これからもお産させる予定と言うことなので子宮卵巣はそのままにしておきました。今回の件、仮説ですが受精卵が卵管から脱出し腸間膜、大網に着床し初期胎盤の機能を果たし胎仔は発育していたのか...? 取り出したミイラは写真の様に骨格形成が妊娠末期の胎仔と同じく出来上がっているため、恐らく分娩時に子宮破裂を起こし胎仔は腹腔内に脱出し大網に取り囲まれ時間と共にミイラ化し、子宮破裂部位は自然治癒したものと考えますが、子宮の傷跡が見られなかったのは不思議で何ともミステリアスな症例です。今回の件、ワクチン接種が引き金で判った訳ですが、このワンちゃん翌日には元気に退院していきました。

miruki

子宮内でなく腹腔内に胎仔が...
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大網に包まれた胎仔
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大網を取り除いた胎仔(ミイラ変成)
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— posted by shimoe-s at 07:08 pm  

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