急性アルコール中毒ID:1282539982-

診察時間も終わりかけた頃、横臥状態のコーギーが運ばれて来ました。昼頃、漬け物を作るために用意していた酒粕を茶碗一杯食べたとのことです。ふらふらして転倒で出来た腰の傷、お腹が大きく張り眼は充血し虚ろな顔つき。意識レベルの低下がみてとれます。当初、急性胃拡張、捻転症候群を疑ったのですがレントゲン、エコー検査で否定されました。急性アルコール中毒のようです。内視鏡検査で胃内にまだ沢山の酒粕、ビニール袋があるため直ちに胃洗浄を始めました。酒臭い白い洗浄液が胃ゾンデから流出します。かれこれ1時間ぐらい洗浄を繰り返し透明になったところで終了しましたが室内は酒臭さで充満。ICUに入れ持続点滴をします。翌日もほとんど横臥状態でしたが意識はだいぶハッキリしてきました。しかし水を飲んでは吐く状態の二日酔い現象は続き笑い事では済まされません。3日目になり顔つき、足どりもよくなり食欲も少しずつ出て来ました。4日目でやっと点滴を外す事が出来ました。酒粕には8%のアルコール分があり、酒粕200g食べたとするとビールで言うと420ml飲んだことになるでしょうか。アルコールであるエタノールは胃、小腸の粘膜より吸収され中枢神経を抑制し意識障害から死につながることがあります。大半は肝臓で分解され残りは尿、呼気として排泄されますが、脱水症状が強く現れるため点滴はどうしても必要となります。このコーギーの場合、消化器運動が低下し胃内の酒粕が長く留まり醗酵し症状を進めたものと考えます。生体防御反応で嘔吐、下痢をしてくれればよかったのですが。酒粕などアルコールの置き忘れには呉々も注意してください。
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呼びかけに対して無反応。
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酒粕
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二日目。反応は出て来ましたが振らつきます
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四日目。点滴がとれました

— posted by shimoe-s at 02:06 pm  

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