特発性振戦病ID:1271410150-

振戦とは”ふるえ”のことですが、寒さ、恐怖、怒り等で起きる生理的なものと病的なものがあります。よく質問を受ける振戦(ふるえ)に老齢犬の特発性振戦病があります。柴犬、柴系雑種によく見られ、10歳を過ぎた頃から歩行時は目立たないのですが静止起立時に後ろ足が”震える”ものです。原因は不明ですが大脳基底核や特定領域のニューロンの変性が認められることから神経伝達障害と推測されています。特に治療法は無く、疲れない程度に自然体に歩行運動をしてもらっています。また、最近診た”ふるえ”に成犬の特発性振戦病(ホワイトシェーカーシンドローム)があります。3歳のマルチーズ、寝ている時以外ずっと震えて歩行もぎこちなくなってきた、と来院されました。血液検査、神経学的検査、犬種、症状からこの病気を疑いました。この病気は神経伝達を行なうエピネフィリン、ドーパミンの前駆物質であるチロシンの代謝異常によると推測されています。またステロイド療法で改善が認められることもあるため免疫疾患の可能性もあるとされています。特発性(とくはつせい)...と、名のつく病気は原因がはっきりしてないことを指します。このマルチーズ、精神安定剤とステロイド治療で改善されてきました。この病気、厳密にはMRI検査、脳脊髄液検査等も行ない鑑別診断しなければならないところですが、諸事情で出来ない場合もあり経験に基づいた治療が優先されることもあるのです。

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後ろ足がブルブル小刻みに震えています。(老齢犬の特発性振戦病)
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寝ている時以外はずっと震えています。瞬き反応も鈍い。(ホワイトシェーカーシンドローム)

— posted by shimoe-s at 06:29 pm  

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