内視鏡検査ID:1235292664-

数ヶ月前より、食欲はあるが吐いて困るという8歳の犬が来院しました。食事抜きで初めから内視鏡検査目的で来られたようです。麻酔がかけられるかどうか血液検査など含めて診察した結果、午後の検査.手術時間中に行うことに決定。全身麻酔下で食道から胃内を観察していくと胃の出口(幽門部)に腫れ物が見られます。さらに検査を進め十二指腸を観察します。画像上では大きな異常は見当たりません。でも組織的には異常がある場合がありますので十二指腸部と胃の腫れ物のバイオプシーを行いました。検査は10分少々で終わります。採集した組織は専門の病理検査センターへ送り診断してもらうことになります。後日検査結果は、胃の腫れ物は腺腫様ポリープ(非腫瘍性病変).十二指腸は炎症生腸炎またはリンパ管拡張症の疑いと言う診断。腫瘍性、悪性所見は確認されなかったので、ひとまず安心です。でも今回は一部の組織採集の結果であること、深層部に腫瘍性の病変が隠れている場合もありますので臨床経過は診ていかねばなりません。このようなポリープは胃炎が慢性化することで粘膜の過形成が生じた結果だと思われます。今、10日程経過しましたが胃腸薬の内服のみで嘔吐も無く療方食を美味しく食べています。しかし再び胃腸障害が起きるようなら、ポリープの内視鏡下摘出と再検査が必要になるでしょう。緊急疾患は別として内視鏡検査などは胃の中がカラッポ(絶食)の状態が必要です。あらかじめ診察と予約をさせて下さい。
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十二指腸を見ています
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胃のポリープ

— posted by shimoe-s at 05:51 pm  

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