胆嚢の病気ID:1237707642-

最近食欲が無く頻繁に吐くということで13歳のシーズーが来院しました。各種検査の結果、胆嚢粘液嚢腫の破裂に伴う腹膜炎が疑われ、開腹手術となりました。このシーズーは数年前より胆嚢内に胆泥が認められていましたが臨床症状が無く、歳でもあるからと言う理由などで積極的な治療は望まれなく現在に至っていました。この胆泥症は胆嚢の異常として見つかることが多く、脂肪食の摂り過ぎなどが誘因のように思われます。また高脂血症、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症等といった基礎疾患が背後に隠れている場合がありますので注意が必要です。胆泥症だけの場合ほとんど無症状ですが定期的なエコー検査、食事療法などは継続していく必要があるでしょう。今回の場合、機能しなくなった胆嚢を摘出し、胆汁の排出路である胆嚢管から総胆管内の詰まった物質を摘出して手術を終えました。胆汁がうまく流れ出した為、黄疸も消失して今は元気よく食事も完食しています。

ピンセットで摘んでいる所が胆嚢管の入り口です。ここから総胆管に閉塞しているゼリー状の粘液物を取り出します。

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摘出した胆嚢を切開した所。中はゼリーの様な粘液物で充満しています。(胆嚢粘液嚢腫)胆嚢粘液嚢腫は胆嚢上皮細胞からの粘液産生亢進が疑われ、胆嚢内の胆泥とはちょっと違います。

— posted by shimoe-s at 04:40 pm  

特発性前庭疾患ID:1237119714-

急に首が捻れ、眼球が振れて吐き気があり、起き上がったり歩くことが困難になる老犬の病気に特発性前庭疾患があります。(特発性とは原因がまだハッキリ解っていないこと、前庭とは耳の一番奥にある内耳をいいます)。似た様な症状を示す他の脳疾患もありますので鑑別診断は必要ですが、たいてい柴犬系のミックス犬に多く見られます。特異的な症状にビックリして来院されますが、通常、対症療法で2~4週間ぐらいで回復してきます。中には下の写真の様に斜頚(首の筋肉の収縮力が低下して首が左右どちらかに曲がること)が後遺症として残る場合もありますが...。非常に熱心な飼主さんが写真を送って下さいました。風呂マットで体に傷がつかないよう囲いを作られ、下敷きは人工芝で尿で体が汚れないよう工夫されています。斜頚のある犬はどうしても真っすぐ歩かずグルグル廻るため、この様な円形にしておく必要があります。ある程度症状が落ち着いてきた犬はこの様な工夫をされて介護の息抜きをして下さい。段々と暖かくなってきています、慢性病で病んでいる動物達も春の訪れとともに快復してきますのでもう少しの辛抱です。
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— posted by shimoe-s at 09:21 pm  

別れID:1235981159-

病院駐車場のサンシュの木が黄色い花をつけました。もうすぐ春です。この4月で24歳になる名越タマ(昭和61年4月生れの猫)。暖かくなる春を目前にお母さんの腕の中で静かに息を引き取りました。私が開院したのが昭和57年。タマが当院に来る切っ掛けは避妊手術でした。依頼、毎年切れること無くワクチン注射と健康検査にご夫婦揃っていらっしゃってました。温厚なご家族でタマの頭を撫でながら語られる眼差しに深い愛情をいつも感じておりました。先日、お母様がこの2、3日タマがゴハンを食べないのです...と尋ねて来られましたが、一見して脱水症状が見てとれ“タマ弱ったなぁ、24歳だものなぁ.....”口には出さなかったものの 後いくばくも無い命と判断せざるを得ませんでした。話の中で最近、ご主人が他界されたことも知りました。お母様の表情を見るにつけ、もう少しタマには頑張ってほしいと点滴の準備を指示。とは言っても前にも書いた通り、年老いた動物の入院は環境の変化で余計に悪化する場合があるので昼間だけ病院で点滴など治療することにし、夜はお家で看てもらうことにしたのですが。通院2回目の夜中、お母様の願いも届かず...。当院に尋ねて来られる数少ない昭和生まれの命がまたひとつ消えました。あえて実名と写真を許可を得て載せましたが、名越さんの娘さんが遠く京都におられ、タマのこと気にしておられることを耳にしまして、元気だった頃のタマの表情とは違いますがアップしてみました。
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春の訪れを告げるサンシュの花

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入院室のタマ

診察室での名越さんとタマ

— posted by shimoe-s at 05:05 pm  

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