院長の誕生日ID:1171414834-

この2月で54回目の誕生日を迎えた。大学を卒業し獣医師免許を頂き32年、本当に年月の経つのは早いものである。開業当時、三日間、来院患者が無く非常に寂しく不安な思いもした。保育所に通っていた娘が一人寂しさのあまり診察室に出てきて愚図ったりして困らせた。(その娘も今は獣医師となり関東の動物病院に勤めているが)。たまにある来院の動物といえば、あまり手を掛けられてなく触ることさえ嫌がる狂暴な犬が結構多く、病気の内容も伝染病、寄生虫、外傷、骨折、ノミによる皮膚病という古典的な病気が多くを占めていた。来院される家族の方も『ほったらかしで死ぬんじゃ忍びないんで、死ぬる前にいっぺん獣医さんに診てもらわないと』という風な感じで、診察室は若い未熟な私でも許していただける様な雰囲気と地域性がありました。最近ではいわゆる雑種犬も少なくなり、各種予防が普及し長生きする動物も増え、病気の内容も一変してきた。痴呆症、悪性腫瘍、高脂血症、糖尿病、心臓病、アトピーなどなど家族の病気の反映かと思われるようなものが多くを占めるようになった。コンビニ、インターネット、携帯電話などの普及に伴い、最近、時間感覚を無くされた方も多くなったのか?私からみれば急患でも無い様な症状で夜中に診療を求められることも多くあり、髪の抜けとともに“あの優しかった若き獣医師が頑固獣医師に変貌していく”悲しき今日この頃なのです。でもでも心、気持ちは捨て犬を拾ってきては親に隠れて、ごはんを運んでいた幼少期の純粋さは今も残っておりますので安心の程。昔の小学校の教科書に載っていた宮沢賢治の『下の畑におります』という黒板に書かれた文がありますが、殺伐とした今日、あのような何とも言えない長閑な時間が流れる時代が恋しく思えてなりません。
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— posted by shimoe-s at 10:00 am  

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