最近食欲が無く頻繁に吐くということで13歳のシーズーが来院しました。各種検査の結果、胆嚢粘液嚢腫の破裂に伴う腹膜炎が疑われ、開腹手術となりました。このシーズーは数年前より胆嚢内に胆泥が認められていましたが臨床症状が無く、歳でもあるからと言う理由などで積極的な治療は望まれなく現在に至っていました。この胆泥症は胆嚢の異常として見つかることが多く、脂肪食の摂り過ぎなどが誘因のように思われます。また高脂血症、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症等といった基礎疾患が背後に隠れている場合がありますので注意が必要です。胆泥症だけの場合ほとんど無症状ですが定期的なエコー検査、食事療法などは継続していく必要があるでしょう。今回の場合、機能しなくなった胆嚢を摘出し、胆汁の排出路である胆嚢管から総胆管内の詰まった物質を摘出して手術を終えました。胆汁がうまく流れ出した為、黄疸も消失して今は元気よく食事も完食しています。
ピンセットで摘んでいる所が胆嚢管の入り口です。ここから総胆管に閉塞しているゼリー状の粘液物を取り出します。
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