動物病院Blog

マムシ咬傷

桜満開、春らしい日和になってきました。

暖かくなってきたのは良いのですが、今年早々のマムシ咬傷例です。

この猫ちゃんはヘビを獲るのが好きなそうですが、ちょっと油断したのでしょうか。下顎を噛まれて首まで腫れています。

放射線治療

今まで大きな病気も無く平穏無事に過ごして来た初老のヨーキー。最近、ケイレン発作が頻繁に起きるということで来院されました。ケイレンの原因は沢山あり鑑別診断が必要です。神経学的検査の結果、脳内の病変が強く疑われたため、MRI検査の必要性をお話ししました。MRI施設での検査結果、脳の左側頭頂葉に腫瘍(2cm大)があることが判明。確定診断、治療目的には外科的切除が第一選択となるのですが、ご家族の結論は手術は望まれず、ケイレンだけ起きない生活をさせてやれないものか…..思案の末だされた答えでした。今のところ薬でケイレンは抑えられているものの、薬の副作用も近い将来起きて来ることが予想されるため、放射線治療でケイレンをコントロールする方法に掛けてみるということになりました。

放射線治療は外科療法、化学療法と共に癌治療の三本柱の一つになっていますが、獣医学領域では人医学ほどまだ普及しておらず、特に地方ではまだ浅い治療法ではあります。放射線を当てる場合、動いてはダメなので動物では全身麻酔がどうしても必要になりますし、放射線障害が起きる可能性もゼロでは無いこと、複数回照射しなければならないこと等々問題はありますが、動物の延命と生活の質の向上をご家族が望まれるならば私は必要な一つの治療方法と考えています。このヨーキーの場合、複数回の全身麻酔、放射線照射に耐え、今、ケイレン発作も無く家族の元でまた平穏無事な日々を過ごしています。決して完治した訳ではないのですが、いつまでもこの生活が続くことを願う症例です。

 

頭の白い所が腫瘍。

MRI撮影、CT撮影 アイビー動物クリニック。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三宅動物病院にて放射線治療中(オルソボルテージX線治療装置)。

 

犬アトピー性皮膚炎

遺伝的皮膚病…アトピー。悩ましい病態です。プードル、Mダックス、シーズー、柴犬が多く来院されます。

痒みを何とかして欲しいを筆頭に、臭う、フケ、脱毛、皮膚の変色、等々訴えられます。

診察は診る、見る、観る、視る、です。次に皮膚を少し削って顕微鏡検査。培養検査等に進みます。

食事療法で反応を診る..場合もあります。

原因は何でしょうか?次に問われる質問です。アトピー、食物アレルギー以外の痒みを伴う皮膚病の場合は短時間で診断が付く場合が多いのですが。

下記のチャートで説明しています。当院では主に動物アレルギー検査株式会社(理研ベンチャー)に血液を送り調べてもらっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

検査結果はIgEは3〜6日。アレルギー強度検査は2〜3日。リンパ球反応検査は8〜10日かかります。

検査結果が出たらそれに基づいて治療対策を立てて行く事になります。

当院での主な治療法は❶シャンプー療法❷食事療法❸薬物療法(ステロイド、抗菌剤、免疫療法、インターフェロン療法、サプリメント等々)です。

膣脱

膣脱はもっぱら発情中、女性ホルモンであるエストロゲンの影響により膣粘膜、骨盤周囲組織、陰門括約筋が弛緩し膣壁が脱出することです。軽度の場合は発情が終了すると自然に収まります。今回の場合は膣壁が汚染し時間が経過していたため手術となりました。遺伝的素因もあるため避妊手術(子宮、卵巣摘出)を行なうことをお勧めします。昔はよく診かけていましたが最近はあまり診ないためアップしてみました。

左の写真は尿道にカテーテルが入っています。右の写真は10日目の治癒したところ。

21歳のジミー君

名前はジミー。平成2年7月生まれのオス猫です。

今日も点滴に来られました。待合室でのダミ声で直ぐにジミー君が来ているのだなと判ります。

もう点滴を始め出して、かれこれ4年は経つものですから。

病名は慢性腎不全。年老いた猫には当たり前のように見受けられる病気です。

脱水を防ぎ、腎血流量を増やし、食欲が落ちないように、そして腎臓に少しでも負担にならないよう腎臓病療法食を継続して頂いています。雄猫の21歳は私の獣医道でも数少ないかと思います。飼い主さんの献身的な世話,愛情、そしてジミー君の生命力。介護,治療に携わるスタッフとの友好的波長。すべてがジミー君にプラス方向に味方してくれているようです。もうすぐ正月です。少しでも長く、苦しむこと無く生きてほしいものです。点滴中のジミー君の顔写真とスタッフが与えているフードを無心に食べているいつもと変わらぬ光景です。

睾丸(精巣)の腫瘍

犬の睾丸(精巣)に出来た腫瘍です。写真の通り左右の大きさが違うのがお分かりだと思います。これって正常でしょうか?触診では大きい方が硬く少しデコボコしています。小さい方は触診ではあまり異常は感じられません。ですが病理検査の結果は大きい方が間細胞腫(良性腫瘍)、小さい方がセルトリ細胞腫(悪性腫瘍)でした。一見正常そうに見えても病理学的には悪性の場合もあるということです。この症例は病巣を小さいうちに摘出したので転移はありません。

 

 

 

大きい方が間細胞腫

小さい方がセルトリ細胞腫

脊索腫(せきさくしゅ)

初老の雄のフェレットが来院しました。写真のような腫れ物が尾に出来たとのことです。フェレットの尾の腫れ物と言えばたいてい表題の腫瘍を疑います。外科的切除後の病理検査の結果は、やはり脊索腫でした。

脊索腫 とは、脊椎を形成する脊索由来の腫瘍であり、この腫瘍はフェレットでは尾の先端部によく発生することが知られています。脊索腫はラットなどのげっ歯類、あるいは人にも発生します。ラットでは腹腔内の腰椎部位に発生し、高頻度に肺に転移します。そのため、ラットやヒトでは脊索腫は悪性腫瘍として取り扱われますが、フェレットの場合はほとんどが尾の先端部に発生することから、転移の報告は無く、断尾により臨床的な問題は殆ど無いため、良性の腫瘍として治療されています。

前にも書きましたが、ほとんどの腫瘤は肉眼では悪性と良性の鑑別は困難であることから、発生した腫瘍については早期の切除と病理組織学的な鑑別診断を実施する必要があります。

食道狭窄

前回の薬の飲ませ方に続く症例です。

猫の食道に刺激性の薬、化学物質、逆流した胃液などが停留した場合、食道炎が起きることがあります。

今回、食道炎から食道狭窄に及び食事が胃に入り難くなった例です。

猫の薬剤経口投与は要注意

犬、猫に薬を飲ませる事は大変多いですが、下記の点に注意して下さい。

犬の食道蠕動運動は75~100cm/秒

猫の食道蠕動運動は1~2cm/秒と言われています。

これから解るように猫は口から入った薬が胃に到達するのに犬に比べて非常に時間がかかります。猫に薬を飲ませる時、薬が食道に停滞し食道炎を起さぬように注意する必要があります。

宮崎大学の鳥巣至道 先生は次のように述べられておられます。

水なしで胃に到達する時間と確率

60秒 …….0%

90秒 …….6.7%

120秒 ……..13.3%

240秒 ……..26.7%

300秒 ……..36.7%

*薬を飲ませてすぐに水を6ml飲ませた場合の胃に到達する時間と確率。

60秒 ……93.3%

90秒 ……100%

 

そのため 猫に薬を飲ます方法として。薬服用後、水6ccぐらいを注射器などで

飲ませるようにしてみてください。

あるいは缶詰めフード等をダンゴにして中に薬を包み食べさせる。

なかには空腹時、食間に飲まなければならない薬もあるため、その都度 獣医師に相談して下さい。フード等に薬を包み(団子状に)与える。

縫合糸肉芽腫

超音波メスを使用して卵巣部を切除しているところ(縫合糸を使用しない場合)

同様に子宮頚管部を切除しているところ

腹壁をモノフィラメントの吸収糸で縫合しているところ

あるオーナーさんから“糸を使わない手術”をされていますか?という質問を受けました。お腹を縫う時は糸を使いますが…..。そんな話をしながら、私の頭の中は縫合糸肉芽腫のことを心配されているのかな…と思ったのですが、正しくその通りでした。

縫合糸肉芽腫とは手術時に使用した縫合糸に対する異物反応の結果、体に炎症を起すことです。動物病院では不妊手術、去勢手術など日常的に行なっていますが、手術の際、縫合糸はどうしても使用することになります。只、縫合糸にも色々あり吸収性モノフィラメント(溶ける糸)、ステンレスワイヤーなどが炎症反応が軽度と言われています。(どのような糸を使用しても炎症反応は有るということですが)

皮膚縫合は後日抜糸するので問題無いのですが、体内の縫合の場合、縫合糸の選択、テクニックは大切かと思います。また縫合糸関連の肉芽腫を起しやすい犬にミニチュアダックスフンド.ヨーキー.ラブラドルレトリバーなどがあげられます。

厳密な意味で縫合糸を全く使用しない手術は現在のところ無理であること。(腹腔鏡手術は可かも)好発犬種、縫合材料を熟知し滅菌、消毒、など徹底し行なえば可成り防げる病態と私は考えています。当院では超音波メスを使用して卵巣部、子宮部は糸を使いません。しかし腹壁(腹膜、筋肉)は吸収性の糸を使用して縫います。皮膚は溶けない糸で縫うため10日前後で抜糸いたします。…..そのような会話があったので必要かと思いアップしてみました。 available domains

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