放射線治療

2012-03-23

今まで大きな病気も無く平穏無事に過ごして来た初老のヨーキー。最近、ケイレン発作が頻繁に起きるということで来院されました。ケイレンの原因は沢山あり鑑別診断が必要です。神経学的検査の結果、脳内の病変が強く疑われたため、MRI検査の必要性をお話ししました。MRI施設での検査結果、脳の左側頭頂葉に腫瘍(2cm大)があることが判明。確定診断、治療目的には外科的切除が第一選択となるのですが、ご家族の結論は手術は望まれず、ケイレンだけ起きない生活をさせてやれないものか…..思案の末だされた答えでした。今のところ薬でケイレンは抑えられているものの、薬の副作用も近い将来起きて来ることが予想されるため、放射線治療でケイレンをコントロールする方法に掛けてみるということになりました。

放射線治療は外科療法、化学療法と共に癌治療の三本柱の一つになっていますが、獣医学領域では人医学ほどまだ普及しておらず、特に地方ではまだ浅い治療法ではあります。放射線を当てる場合、動いてはダメなので動物では全身麻酔がどうしても必要になりますし、放射線障害が起きる可能性もゼロでは無いこと、複数回照射しなければならないこと等々問題はありますが、動物の延命と生活の質の向上をご家族が望まれるならば私は必要な一つの治療方法と考えています。このヨーキーの場合、複数回の全身麻酔、放射線照射に耐え、今、ケイレン発作も無く家族の元でまた平穏無事な日々を過ごしています。決して完治した訳ではないのですが、いつまでもこの生活が続くことを願う症例です。

 

頭の白い所が腫瘍。

MRI撮影、CT撮影 アイビー動物クリニック。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三宅動物病院にて放射線治療中(オルソボルテージX線治療装置)。

 

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