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病院駐車場のサンシュの木が黄色い花をつけました。もうすぐ春です。この4月で24歳になる名越タマ(昭和61年4月生れの猫)。暖かくなる春を目前にお母さんの腕の中で静かに息を引き取りました。私が開院したのが昭和57年。タマが当院に来る切っ掛けは避妊手術でした。依頼、毎年切れること無くワクチン注射と健康検査にご夫婦揃っていらっしゃってました。温厚なご家族でタマの頭を撫でながら語られる眼差しに深い愛情をいつも感じておりました。先日、お母様がこの2、3日タマがゴハンを食べないのです...と尋ねて来られましたが、一見して脱水症状が見てとれ“タマ弱ったなぁ、24歳だものなぁ.....”口には出さなかったものの 後いくばくも無い命と判断せざるを得ませんでした。話の中で最近、ご主人が他界されたことも知りました。お母様の表情を見るにつけ、もう少しタマには頑張ってほしいと点滴の準備を指示。とは言っても前にも書いた通り、年老いた動物の入院は環境の変化で余計に悪化する場合があるので昼間だけ病院で点滴など治療することにし、夜はお家で看てもらうことにしたのですが。通院2回目の夜中、お母様の願いも届かず...。当院に尋ねて来られる数少ない昭和生まれの命がまたひとつ消えました。あえて実名と写真を許可を得て載せましたが、名越さんの娘さんが遠く京都におられ、タマのこと気にしておられることを耳にしまして、元気だった頃のタマの表情とは違いますがアップしてみました。
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春の訪れを告げるサンシュの花

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入院室のタマ

診察室での名越さんとタマ

— posted by shimoe-s at 05:05 pm  

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