ヒューマンアニマルボンドID:1172549342-

皆さんはヒューマンアニマルボンドという言葉を聞かれたことはありますか。人間とコンパニオンアニマル(ペット)の絆(きずな)をヒューマンアニマルボンドと呼んでいます。このことについて、日本臨床獣医学フォーラム代表の石田卓夫先生は次のように述べられています。『コンパニオンアニマルの存在により、老人は身近に愛するものがいることの重要性を再認識し、寂しさや孤独感を軽減するのみならず、動物が友人や親戚との付き合いの再開に良い効果を及ぼすことがわかっています。社会の中で人と人の関係をより良いものにする、潤滑油のような働きを果たすものと考えられています。例えば、公園のベンチに一人で座るときに、何も持たないで座る、本を持って座る、CDプレイヤーを持って座る、動物を伴って座るというのを比べると、一番多く他の人から話しかけられるのは、動物を伴って座る場合であると言われています。また、65歳以上の一人暮らしの老人に、植物か小型の鳥を保有してもらい、両方を比べてみると、鳥を飼った老人の方が気力は改善し、訪問者が多いことがわかっています。単に動物への興味で人が話しかけるのか、といえば必ずしもそれだけではなく、この人に話しかけたい、この人に優しくしたい、といった人間の自然な気持ちが、コンパニオンアニマルの介在によって引き出されるのではないかと考えられています。ハンディキャップを持つ人に対しても、コンパニオンアニマルは安全を保証してくれる伴侶としての存在だけではなく、人間同士の交流を増やす効果があるようです。車椅子に乗った人が、繁華街を一定距離進むとき、一人で進む、誰かに押してもらって進む、動物と一緒に進む、というのを比べてみると、動物を伴って進むときに一番多くの人から話しかけられるのです。すなわち、コンパニオンアニマルは人と人の間に入ることで、人間の優しい気持ちや素直な気持ちを引き出し、人間同士の関係を改善する効果があるのではないかと考えられます。さらに、子供の脳の発育にも効果があるとされています。女の子は成長しても、小さなもの、可愛いものに対する優しい気持ちは、母性本能として残りますが、男の子は、成長に伴って人間の赤ん坊に対する優しい気持ちは消えていきます。しかし、可愛い動物に対する優しい気持ちは消えないのが普通です。したがって、母性本能というものを持たない男の子に対しても、ふれあい・思いやりの気持ちを育てるという意味でコンパニオンアニマルの存在は重要です。人間に対する動物の医学的効用についても多くの研究がなされています。心臓発作で冠動脈のバイパス手術を行った後の入院患者に関する調査では、動物との生活があると一年以上の生存率が有意に多くなることが知られています。これは動物とのふれあいが、心拍数、血圧の安定、適度の運動の促進など、よい医学的効果をもたらすためと考えられています。歯科の待合室に熱帯魚の水槽を置いて、治療前にじっと見つめてもらうと、見つめた人の方が見つめなかった人よりも血圧も安定し、より軽い麻酔で歯科処置が出来ることがわかっています。絆とはお互いに影響を及ぼすものでなくてはならないので、人間だけの都合を考えて動物との生活を求めるべきではないでしょう。動物側にも人間とのふれあいによりストレスや医学的な影響が様々あるはずです。しかしながら、絆が形成されている間柄では、動物の心拍数や血圧に対して良い影響があることがわかっています。すなわち、一人にされていた犬の所に飼い主が入って来ると、血圧や心拍数が下がることもわかっています。すなわち、ヒューマンアニマルボンドとは人と動物双方の教育、福祉、医療に関わる問題で、それが有効に作用した結果、人間にも動物にも幸せな生活が保証されるというものです・・・』。今の世の中、生き物を大事に飼い、育てるということが必要な大事な要素でしょう。下の写真、私の愛犬サラです。
211

— posted by shimoe-s at 01:09 pm  

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.0505 sec.