鳥や自然について知ろうID:1145879312-

<ヒナがすぐに巣立つわけ>自然界での命の原則は、他の生物の食物になること。野鳥の世界も毎日命がけですが、わずかでも生き延びれば1年で大人になって子育てを始め、毎年繰り返します。つまり、生き残る方が少ないので、たくさんの卵を産み、短期間でヒナを巣立てなければなりません。スズメでは5個くらい卵を生み、かえったヒナは約2週間で巣立ち、その後1週間くらいを親子で過ごしてから独り立ちし、親鳥はまた卵を産むというサイクルを、春から夏にかけて繰り返すようです。なお、巣立ちまでの期間はメジロやヒヨドリでは10日ほどしかなく、シジュウカラ・ツバメ・ムクドリなどは3週間ほどかかるものもいます。<ヒナの成長を支える虫>鳥も私達人間と同じで、他の命を食べなくては生きていけません。特に鳥は、活動的に空を飛ぶために体重を増やせないので、食べてはすぐにフンを出すことを繰り返します。体重15グラムほどのシジュウカラでも、1年間に必要な虫は10万匹を越えるという試算もあるほどです。秋冬に虫が少なくなると、木の実などの植物質も食べるようになる小鳥も少なくありません。でも、子育てには高栄養で消火しやすい虫が必要なので、虫が多い春から夏を子育てシーズンとするのが普通です。スズメでさえも、ヒナを巣立たせる2週間に親鳥が虫を運ぶ回数は、4千回を越えるといわれています。<自然の仕組みから学ぼう>虫に食べられる植物にとっては、虫を食べる小鳥が必要です。でも、小鳥が虫を食べつくすことはありません。それは、小鳥が増えすぎないからです。毎年子育てを繰り返して、ヒナが無事に巣立ったとしても、自立、移動、越冬などの試練が続くので生き延びるのはわずか。一方で、そうして弱ったり死んだ鳥が食物となって、肉食性や雑食性の鳥などの命を支えているのです。命の大切さは、このようにさまざまな生物の共存と命のつながりとともに再認識されなくてはならない時代になりました。2005年から国連「持続可能な開発のための教育の10年」がスタートし、持続可能な社会を作ることは人類共通、最大の命題となっていますが、持続可能な自然の仕組みから学ぶべきことが少なくありません。                                                                  野生動物救護獣医師協会(WRV)より抜粋。

— posted by shimoe-s at 08:48 pm  

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.0078 sec.