猫の扁平上皮癌ID:1234089444-

鼻の喧嘩傷がなかなか治らず、段々ひどくなってきたと13歳の猫が来院しました。明らかにケンカの傷ではありません。細胞診の結果、扁平上皮癌と診断されました。この癌は皮膚色素のないネコの耳、鼻、眼瞼に多く発生し、日光で腫瘍(癌)が誘発されます。治療は腫瘍が小さいうちに出来るだけ大きく外科的に切除します。あるいは放射線(外部遠隔照射療法)により治療します。このネコは飼い主さんの要望により外科的治療を選択しましたが、かなり進行していた為、鼻鏡と一部口唇を切除という結果になりました。出血と呼吸困難から逃れられ、顔の表情は変わりましたが、今は元気に暮らしています。下の写真は麻酔下での顔のため怒った様な怖い顔をしていますが、普段は明るい顔の子です、念のため..。
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手術前(麻酔がかかっています)

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手術が終わったところです。毛が生えてくれば怖い顔ではありません。

— posted by shimoe-s at 07:37 pm  

ミニチュア.ダクスフントのことなどID:1233831429-

最近ミニチュア.ダックスフントが多く飼われていますが、それだけ診察する機会も多くなり、困ったことに難治性の(遺伝性と思われる)病気が増えているように感じます。特に椎間板ヘルニア(下記に術中の写真を載せました).リンパ腫、直腸の癌、皮膚組織球腫などの腫瘍.耳介脱毛症、脂漏症、アトピー関連の表皮肥厚、特発性無菌性結節性脂肪織炎などの皮膚病、脛骨異形成症(内転足)などの運動器病、進行性網膜萎縮、睫毛重生などの目の病気、停留睾丸(陰睾)などなど難しそうな病名をあげましたが頻繁に見受けます。流行しているから、足が短く可愛いから、など安易に考え購入することないよう注意してください。また、この子の子供が見たいから..とか、知り合いに雄犬がいるから交配させたい..とか、遺伝疾患を無視した無計画な交配はしないように心してください。イヌの安産はもう昔の話です。帝王切開になるかもしれないと思って下さい。厳しいことを書きましたが現実です。治療費もかかります、病気と一生付き合っていかなければならないこともあります。犬を選ぶ場合、家庭環境に合った種類で、その犬の作られてきた歴史を勉強してからにしてください。今年は思いつくまま治療の写真など載せていきたいと思います。

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腰から針を刺し、造影剤を注入してヘルニアの場所を探します。
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背骨を削り、脊髄神経を圧迫している椎間板物質を取り除くところです。

— posted by shimoe-s at 07:57 pm  

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