胃拡張.胃捻転ID:1234319116-

診療が終わり職員一同帰宅の準備をしている時、お腹が張り苦しがっているウエルシュコーギーが来院しました。胃拡張の症状です。早速レントゲン撮影、胃がガスで充満しています。点滴を始め麻酔をかけ内視鏡を挿入、しかし食道から胃に入りません。胃が捻転している証拠です。そのまま開腹手術に移行します。胃捻転のため血流障害が起き胃内圧上昇により胃壁の壊死が起き、近くにある脾臓も引きずられ捻転を起こし出血等も伴います。膵臓も障害を受け心筋抑制因子が分泌され、その為心臓の収縮が減少し不整脈が頻繁に発生します。この犬はまだ早期だったため不整脈は出ていませんでしたが、すでに脾臓は変色し腹腔内は出血を起こしています。胃のガスを抜き捻転を整復し、再び胃捻転を起こさぬよう幽門部(胃の出口)を腹壁に固定します。この犬の場合幸いに脾臓は摘出せずに済みましたが(ほとんどの場合脾臓摘出となることが多い)不整脈も出ず本当にラッキーでした。胃捻転の原因はまだはっきり解明されていませんが、大型犬で胸腔の深い犬に多いとされています。今回のコーギーは小さめですが起きてしまいました。食事や飲水の後は激しい運動をさせないよう、日に3回ぐらいに分けて食事をとらせ、食後は安静にするようにさせて下さい。ほとんど食後に発生しやすいので夕食は早めに与えて下さい。(病院の都合ですが、手術となると人手がいります、診療時間内に対処出来れば....と思ったり....ご免なさい)。単純な胃拡張の場合は注射.薬で治り、手術まですることはありません、念のため。1267.6:320:240:0:0:IMG_1085.JPG:right:1:1::
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循環障害の為、変色した脾臓

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— posted by shimoe-s at 11:25 am  

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