試験開腹ID:1158811327-

もの言わぬ動物の治療において、病気の診断、治療の方向を診るため色々な検査をします。特に血液検査、尿検査、便検査、レントゲン検査、超音波検査、(内視鏡検査は時々)などは頻繁に行う検査ですが、でもこれらの検査と触診などの五感を働かせても正確な診断がつかない場合があります。このような時、手術に耐えれる体力があるうちにお腹を開けて診断をつける、これが試験開腹なのです。原因がわかり治癒する、あるいは治癒しないまでも病気が少しでも改善して楽な生活が送れると判断した場合、手術を続行していきます。しかし、開腹したものの、癌が進行していたり手術が困難なために手術を行うことができず、そのまま元に戻すこともあります。閉腹といいますが、そのような時は自分の無力さを感じ非常に落ち込んでしまいます。(飼主 さんにとってはもっとショックなことではありますが)。日常的によく診られる胃腸障害の中で、異物を飲み込んだことが原因で食事が摂れず、すぐに吐いてしまうということで来院されることがあります。誤って食べた物がレントゲンに写る物や、これこれを食べてしまったと伝えて下されば事は簡単で診断に悩まないのですが、原因が判らない場合はバリュウムを飲ませたり、レントゲンを何回も撮るハメになる訳ですが、バリュウムを飲ませても吐いてしまい、しっかり診断が付かなかったり、鎮静処置をしないとレントゲンもまともに撮れない暴れる動物の場合、充分な検査が出来ず飼主さんと相談の上、試験開腹〜治療となることもあります。ちなみに今まで飼主さんが知らない間に異物を飲み込み開腹手術で取り出した物に、爪楊枝・竹串の腸への刺入。草と紐が絡んで腸閉塞。梅干し・桃・プラム・銀杏の種。縫いぐるみ。積み木。トウモロコシの芯。糸。ロープ。タオル。ストッキング。靴下。ボール各種。恥ずかしくて書けないコンドーム等々が閉塞していました。散歩中に食べるよりも、生活している身の回りの物による事故が多いように思えます。注意を払ってやって下さい。他にも異物による閉塞だけでなく試験開腹しなければならない疾病が沢山ありますが、動物に負担無く検査発見出来る時代が早く来る事を願っております。追加でありますが最近では動物病院でもCT・MRIを導入されて、より詳しく体の中の様子が解るようになってきてます。試験開腹を望まれない飼主さんにはCT・MRIがある獣医大学、動物病院をご紹介致しております。

— posted by shimoe-s at 01:02 pm  

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